約 6,024,771 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3499.html
* 「あと一枚、か」 初老の男は、そう呟いた。 彼を照らすのは広大な部屋全体を浮かび上がらせるほどの大きな半球状の電灯。オレンジがかった光の中で、老人は一枚の画面を注視していた。 映し出された画面からは一陣の光とそれを見送る若い青年の姿が見える。彼はそれを、じっと見つめていた。 彼が動く。コンソールに置かれた手を流れるように滑らせ、画面を切り替える。表示されたのは、六課が戦う光景。スバルが、ティアナが、エリオが、キャロが、シグナムが、ヴィータが……そして、なのはが。 「……ジェイル」 莫大な数のガジェットと強力な戦闘機人に攻め込まれた六課の魔導師は、しかし的確に迎撃を行っていく。端から見ても分かるほど並みの実力ではない。奇襲にも関わらず、一糸の乱れすらなかった。 特に、魔力を無力化するAMFという防壁を持つガジェットの相手に手慣れているかのような手際の良さだった。 その遠方に、全てを睥睨する一人の男がいた。紫の髪と白衣を棚引かせ、不吉な笑みを張り付けた災厄の科学者にして、無限の欲望を持つ男。 緑色のベルトを腰に付けた男は、魔法陣を展開して何処かへと去っていく。 「今回は確かに私の負けだ。だが、アンデッドを暴走させた程度で剣崎君を止められると思うなよ」 初老の男が画面の向こうに映る彼を眺めながら白髪混じりの髪を撫でる。その紫の髪を、引き裂くように、忌々しげに。 彼は射殺すような視線を、ずっとジェイル・スカリエッティに送り続けた。 リリカル×ライダー 第十九話『天馬』 「サンダーレイジ!」 小柄な体のエリオが自身の身の丈を越える槍――ストラーダを地面に突き立てる。 一発のカートリッジが射出されるのと同時に魔力が電撃に変換され、それが雷の洪水となって刺さった地面を伝播し、ガジェットを一掃する。 「おりゃあああぁぁぁぁぁ!」 それに続く形で、エリオの頭上すれすれを通過して伸びる青色の魔力で編まれた道――ウイングロードに乗ったスバルが殴り込みをかける。 マッハキャリバーによって加速されたスバルが、巨大な球状のガジェットⅢ型に拳を構える。ハイスピードで迫るスバルの体が一瞬でガジェットの目の前に滑り込んだ。 「振動拳ッ!」 スバルの目が金色に光り、腕のリボルバーナックルに付いているナックルスピナーが高速回転を開始する。 その回転による運動エネルギーが魔力的に増幅され、拳に集約する……! 「はあああァァァァァ!」 『Protection AMF』 それに対抗するように、ガジェットも上部から排莢を行い、強大な魔力でバリアを張り巡らす。 そして両者が衝突した。 「おああぁぁぁぁぁ! 一撃、必倒!」 魔力を無力化し、更に強固なバリアとしても機能するガジェットの障壁により振動拳の威力は削がれていく。だが、スバルはそれで決して止まりはしない。 強引に伸ばした腕から更に排莢が行われたなことで破壊力が増し、ついにバリアを打ち砕く。 そして球場のボディに突き刺さった拳の振動が一瞬で構造材を脆くさせ、ガジェットⅢ型は呆気なく崩れ落ちていった。 「スバル、次行くわよ!」 「オッケェ!」 そこにスバルを攻撃しようとするガジェットを迎撃していたティアナが合流する。敵の数は、半数程度にまで減らされていた。それでもまだ相当な数が蠢いているのだが。 だからこそ、ティアナはここで手を休めるつもりはなかった。 「エリオはキャロと合流して空をお願い!」 「はい!」 「私達は海上から上陸してくるガジェットをやるわよ」 「よーし。ティア、行くよ!」 その上空を空舞う飛竜フリードリヒが横切る。 無数に群がるガジェットは、しかしその優美な白竜の炎に次々と落とされ、ガジェットの攻撃は逆にフリードを操るキャロの魔法によって全て塞がれる。 三人の少女と一人の少年で編成されたフォワードチームは、確かにストライカーズと呼ぶに相応しい活躍をしていた。 一方で―――― 「キャハハハハ!」 菱形のモノアイに赤いアーマーを纏う女――クアットロが哄笑する。ボウガンという装備から見ても非常に軽装なのに対し、その力は想像を遙かに越えていた。 あのなのはが、血を流す左腕を庇いながら追い詰められる羽目になっていたのだから。 「くっ……」 「自慢の砲撃も、当たらなきゃダメよねぇ?」 なのはが不意打ち気味にアクセルシューターを放つ。桜色の光弾は速射性と追尾能力に定評のある命中率の高い魔法だ。 だが、当たらない。 魔法弾がクアットロの鎧を捉えたときには既にその姿は消えており、いつの間にかなのはの後ろに回り込んでいた。 「シルバー……カーテン、かな」 瞬間的に後ろに張ったプロテクションが、クアットロの魔弾を弾く。 「あらぁ、エースオブエース様に私のISを覚えて頂けるなんて、光栄だわぁ」 クスクスと嗤うクアットロを、なのはが忌々しげに睨み付ける。 ISシルバーカーテン。 クアットロが持つ戦闘機人としての固有技能で、高い幻惑能力を持つ。姿を消す、架空の物体を投影するといった撹乱に最適の技能だ。 本来は後方支援系の技能であり、故にクアットロは前線で戦うタイプではない。しかし新たに手にした力、新世代ライダーシステムがそれを可能にしていた。 『Master,please withdraw!』 「あら、逃げ出しますの? なら"あの子"を血祭りに上げちゃいましょうかねぇ」 安い挑発を嫌らしく甲高い声で発するクアットロ。その血塗られたような装甲が不気味に黒光りする。 普段のなのはなら挑発に乗るなんて考えられない。しかし、今のなのはにとってそれは禁句だった。 「エクセリオォォォン、バスタァァァァァッ!」 突撃槍のような形状のエクシードモードに変形したレイジングハートを振りかざすなのは。愛杖からの制止を聞きもせず強引にコッキングレバーを引いてカートリッジをロードする。 そしてその鋭い切っ先から鋭い砲撃が迸る。 ディバインバスターより鋭い射線は微妙に曲げることができ、クアットロの動きに対応して放つことができる。故に命中率が高く、またカートリッジの使用により威力も高い。 「――あはははっ! 当たりませんわよぉ?」 ……にも関わらず、彼女を捉えられない。 いつの間にか隣に現れたクアットロにレイジングハートを向けようとするが、その前にボウガンを向けられる。そこに、カードがスラッシュされた。 『Excellion Baster』 『Master! ――Protection EX』 ボウガンから紅い鏃のような鋭い砲撃、なのはが今撃った砲撃と同じ魔法が放たれる。そう、なのはの目の前で。 「く――あっ……」 だが寸前でレイジングハートのフォローによって発動した防御魔法がなのはを守った。しかし、衝撃までは殺せない。バリアと共に、なのはが吹き飛ばされる。 落ちていく。エース・オブ・エースの撃墜。コンクリートの床とのキスまで後、数秒。 『Master!』 「なのはぁぁぁぁぁ!」 だが、その寸前で彼女は救われた。一筋の稲妻が、彼女に駆け抜けたことによって。 その光から輝くような金髪と、温かな笑みが浮かび上がる。それは、フェイトの笑顔だった。 ・・・ 「――こんな策しか用意出来んのが悔しいなぁ」 爆炎と騒音から離れてたった一人で佇むはやてが、小さくため息を付いた。 ここは最終防衛ラインと言うべき六課隊舎前。皆がランニングなどを行う前庭にて、はやてはバリアジャケットを纏って宙に浮いていた。 ちなみに、ここにいるのは彼女だけで、他には誰もいない。ただし、独り言を呟いているわけでもなかった。 『本当は、はやてちゃんも行きたかったんですよね~』 「仕方ないやろー、ここを離れる訳にはいかんし」 はやてとユニゾンしているリィンの言葉に苦笑する。そう、はやてだって十年来の友人の元に馳せ参じたかったのだ。 しかし彼女にはそれが出来ない。後方支援タイプであることと部隊長であることが、その理由。そう、彼女の背負ってる責任が、重すぎるからだ。 それでも、彼女なりに出来ることはやったのだ。責めることは出来ないだろう。 「そろそろカズマ君が帰ってくる頃合いやないかなぁ――」 「――くくくっ、そうかぁ。彼はまだ帰ってきていないのか」 そう、それは唐突な出来事だった。 「! スカリエッティ!?」 「残念だな、今から彼と遊べると思ったのだがね」 そう、はやての目の前に立つ男、その名はジェイル・スカリエッティ。 まさに唐突としか思えないタイミングで、一瞬前まで無人だった前庭に白衣と歪なバックルをしたベルトを巻いたスカリエッティは存在していた。 「……どうやって現れたかは知らへんけど、ここは通さへんで」 『ですですーっ!』 はやての足元に白い三角形の魔法陣が出現する。陣が回転を開始すると同時に白い光にはやての体が包まれていき、魔力が高まっていく。 それを見たスカリエッティは、薄く笑みを浮かべたまま、バックルのカバーに手をかけた。 「くっく……変身」 『Open Up』 カバーをスライドさせた瞬間に魔力が彼の体を包み込み、一瞬で全く別の姿へと変化する。 黄金の縁取りが成された緑色の装甲と無機質な複眼。王冠を模したようなマスク。右手に握られる短いスピア。 それが伸長して瞬時に錫杖へと変化する。 「八神はやて、君は私を楽しませられるかな?」 「私かて何時までも対人戦が苦手なわけやないで……!」 『はやてちゃんと私なら貴方くらいケチョンケチョンにしてやるんですからね!』 はやてが凛々しく、リィンが可愛らしく台詞を決める。その様に仮面の下で笑みを深めるスカリエッティを尻目に、二人の内心は焦りがにじみ出ていた。 理由は簡単。忙しすぎるはやてに訓練をする暇など、あるはずがなかったからだ。 「(ど、どないしよう……これで退けんくなったやないか!)」 『(ででででも、これ以上下がるなんて最初から無理です~!)』 そう、ここは最終防衛ラインなのだから。 はやては十字形を模した形状の杖型デバイス、シュベルトクロイツの切っ先を真っ直ぐスカリエッティに向ける。その切っ先は、小刻みに揺らしながら。 スカリエッティが動く。その手にカードを握り、錫杖の石突きにあるスラッシュリーダーへと運びながら。 「仄白き雪の王、銀の翼を以て眼下の者を白銀で穿て。来よ、氷結の一撃――クーゲル・デス・アイゼス!」 『――Blizzard』 詠唱を終えたはやて。シュベルトクロイツの周囲に三つの青白いキューブが浮かび上がる。程無くして魔力を湛えたキューブが回転を始める。 そしてはやてが十字杖を振り下ろす。 キューブは回転を最高潮に高めたまま、まるで巨大な氷の弾丸のように撃ち出される。はやての強大な魔力によるそれはリィンの制御によって、正確にスカリエッティを狙い撃つ。 対するスカリエッティはカードをスラッシュして解放された吹雪のエネルギーを、錫杖をはやてに向けることで放出する。 二つの凍てつく刃が今、激突する――! はやての氷弾は鋭さと質量を持ってスカリエッティのブリザードに立ち向かう。スカリエッティ自身の魔力によって具現化した吹雪だが、一気にはやてのそれに押されていく。 「私と撃ち合いやなんて、良い度胸やっ!」 氷と氷がぶつかり合う甲高い音。 一瞬にして、はやての一撃がスカリエッティの吹雪を吹き飛ばした! ……スカリエッティを見失う代償を払って。 『Absorb Queen』 「――ッ!?」 真後ろから聞こえた電子音に慌てて振り向くはやて。そこには左手に装着したラウズアブゾーバーにカードを持っていく、スカリエッティの姿があった。 スカリエッティが仮面の下でニヤリと笑う。 『Fusion Jack』 そして彼は変身した。 「フォームチェンジ……」 猪の頭に似た巨大な牙を持つ肩の装甲と、黄金の刃を先端に装着した錫杖。そして胸部には黄金の猪のレリーフが刻まれる。レンゲル・ジャックフォーム。 はやては唖然としながらも高度を取る。単純に距離を取るだけではダメだと、そう考えたかのように。 リィンも内心で、固唾を飲んでいた。 そしてスカリエッティが二枚のカードを引き抜いたのを合図に、はやてもまた再び動き出した。 「ブラッディダガー!」 『Screw,Rush――Revolver Rush』 はやての周囲にミッド式魔法陣が展開され、血塗られたような紅い短剣が無数に出現する。それらが杖の一振りで射出され、スカリエッティに狙いを定める。 しかしスカリエッティの発動したカードの魔法により回転力と刺突力を与えられた錫杖が、それらを叩き落とすだけでなく、更にはやてのバリアジャケットにも直撃する。 「――あぐっ!?」 吹き飛ばされたはやての口から血が一滴流れる。直撃した部分のバリアジャケットは捻れるように千切れており、内出血の痣が付いた腹が露出している。 スカリエッティはつまらなそうに錫杖を振り回し、その腹に切っ先を向ける。 「アアアアアァァァァァ!」 それを遮るタイミングで。 空から飛来したカズマが天馬を駆ってスカリエッティに突撃していった。 ・・・ 「良かった……間に合って」 「フェイト、ちゃん……」 目元に涙を浮かべながらフェイトはなのはを抱き締める。それは温もりを分け与えようとする母親のように。 なのはは瞼を僅かに開いて、温もりの在りかを見つめる。その瞳から、一滴の涙が流れた。 「ごめん、ね……。わたし、足――引っ張っちゃった」 「そんなことない!」 顔を背けようとするなのはを強く抱き締めるフェイト。 一方のクアットロは邪魔が入ったことに苛立ちを隠そうともせず、ボウガンの銃口を振り上げる。 それにフェイトも即座に反応した。 「私の楽しみを邪魔しないでくださるぅ!?」 「させない!」 『Defencer』 クアットロが引き金を引くと同時に数十の弾丸が発射される。それらは何の捻りもない魔力弾だが、威力と弾速、そして数があれば意味合いも異なる。 フェイトはなのはを左手で抱え、右手に持ったバルディッシュでディフェンサーによる防御を行う。だが彼女は高速型、防御は決して得意ではない。 ディフェンサーが砕ける一瞬前に、フェイトはソニックムーブを起動して瞬間的にその場を離脱した。 「わたしは、皆の足を引っ張りたくない」 「なのは……」 なのはがフェイトから身を離す。 フェイトが隠れるように降り立った空間シミュレーターの廃ビルの壁を背に、なのはは震えを止めるかのように自らを抱き締めた。 「皆だって守る人を抱えているんだから、わたしの我が儘には付き合わせられない」 「それは違うよ」 辺りに無数の赤い影が現れる。シルバーカーテンは透明になることも、逆に分身を作ることも出来るのだ。 さらに乱立する廃ビル全てを破壊するかのような爆撃が遠雷のように轟き、フェイトとなのはの足下にまで振動を伝達する。クアットロの苛立ちを象徴するように。 「私は、私が守りたいと思うから守るだけだよ。私がなのはとなのはにとって大切な人達を守りたいと思うから守るだけ」 「フェイト、ちゃん……」 射撃音が徐々にフェイトとなのはに迫る。無差別な破壊に見える攻撃だが、実際は的確に二人を追い詰めるように攻撃を繰り返していた。 だが二人は微動だにしない。そもそも、今だけはどちらもそんなことは気にも止めていなかった。 「見損なっちゃ嫌だよ。私となのはは、友達だもの」 フェイトがバリアジャケットの下から何かを取り出す。身を縮こまらせたなのはの元に歩み寄り、その手を開いた。 それは、ピンク色のリボンだった。 「あ……ッ!」 「これをもらって、初めて友達が出来て――嬉しかった。だから私は、頼まれなくても友達を守ろうと誓った。そうしたかったから」 十年も前、二人が敵から友達に変わった日からフェイトが大切にしてきたなのはのリボンは、痛みこそあるものの綺麗な色をしていた。 そしてなのはもまた懐から取り出す。それは、かつてフェイトが付けていた黒いリボン。 「……そうだよね。わたしは、知らず知らずの内に、友達すら信じられなくなってたのかもしれない。ばかだ。わたし、ばかだよ……」 なのはの涙ごとフェイトは抱き止める。間違えることはある、勘違いもある。すれ違うこともある。人間なら、仕方ない。 それでも何度でも、間違えればまたやり直せる。それが、友達なのだから。 「あらぁ、そこにいましたのぉ? 二人纏めて地獄に送ってやりますわッ!」 二人を覆っていたコンクリートが砕け散り、そこから赤色の鎧を纏う悪鬼が姿を表す。 だが、もう怖くはない。 圧倒的な強さを持ったクアットロだが、しかしもはや敵ではなかった。 『Master. Are you ready?』 「ばっちりだよ。さぁ、いこうか、レイジングハート」 『All ready. Drive Ignition.』 なのはとレイジングハートにとって最高のパートナーが、側にいるのだから。 「いくよ、バルディッシュ」 『Yes,Sir.』 管理局のエースオブエースと六課最速の魔導師、二人による演舞が今――始まる。 ・・・ 空に桜色の光痕と金色の稲妻が交差する。蒼い空を錯綜する光の舞は美しく、そして魅力的だ。そこに混じる紅という不純物だけが鬱陶しいと感じるほどに。 それを発する二人の少女もまた、戦いの中にあって尚、美しい。それは同性が見てもそう思うほどに。 その輝きを見つめるはやての目には、少なくともそう写っていた。 「……やっぱ、あの二人は特別なんやなぁ」 「ぐ――が、はっ……」 『はやてちゃーん、遠くを見てる場合じゃないですよ~!』 そんなはやてを背景に、二人の仮面を付けた戦士が対峙していた。ただし片方は錫杖にすがりついて腹を庇いながら、もう一人は悠々とバイクに跨がりながら。 そのバイクには、鋼の翼が生えていた。 「スカリエッティ――ここで決着を付ける!」 「バ、カな……。カズマ、君に、こ……んな、隠し玉、が……」 カズマが跨がるのは愛車のブルースペイダー。 しかしジャックフォームのカズマが乗ったと同時に、カズマの背中で雄々しく羽ばたくオリハルコンウィングに似た魔力で編まれた鋼翼が形成されていた。 ブルースペイダーそのものは特に変化していないが、シートカウルから生えた両翼によって姿形は全くの別物となっている。その姿は神話に登場する―― 「――ペガサス、みたいやな」 ぽつりと、はやての口からそんな言葉が漏れ出る。確かに、今のブルースペイダーを指すのにこれ以上相応しい言葉はない。はやての視線は、釘付けになっていた。 そんなはやてと同じく、ユニゾン中のリィンもまた夢中になっていた。 『確かカズマさんのバイクはブルースペイダーって言うんですよね?』 「ブルースペイダーペガサス。カッコええやん!」 救援の登場で一気に外野と化したはやてとリィンが好き勝手語る一方で、カズマは追撃のために二枚のカードを用意していた。 何とか立ち上がるスカリエッティ――レンゲルを叩き潰すべく。 一方のスカリエッティは、レンゲル・ジャックフォームの固い装甲をも引き裂く刃のような翼にやられた傷を庇い、動けずにいた。 『――THUNDER,MACH』 二枚のカードをバイクのカードリーダーにスラッシュするカズマ。 ガォンとアクセルを捻ることでアトミックブラストエンジンが咆哮を上げる。エンジンの回転数はメーターを振り切るほどに回り、その熱は周りに蜃気楼を起こさせるほど。 覚醒した荒々しき天馬が、無限の欲望を喰い尽くす――! 『――LIGHTNING STORM』 「おあああああァァァァァ!」 二つのカードによるコンボ技。それによるアンデッドの力がブルースペイダーペガサスに宿る。 稲妻をカウルに帯びさせ、ブルースペイダーペガサスが舞い上がる。そして疾風の如き加速を持って、天馬は悪を叩かんと突撃していった。 ・・・ 新たな力を得たカズマと六課の活躍によってスカリエッティの攻撃は失敗に終わった。 はやてはガジェットの航跡からスカリエッティの隠れ家を探し出し、反攻作戦を画策する。その一方で、王は自らの役割を自覚し始めていた――。 次回『反撃』 Revive Brave Heart 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/98.html
アースラ艦橋。 「大型モンスターの反応を確認、現在はやてちゃんと手塚さんが迎撃に向かっています!」 こちらでもディスパイダーの出現はキャッチしていたようだ。 なぜ念話はダメでレーダーは使えるのかは気にしてはいけない。 「それと…手塚さんとは別のライダーの反応が!」 「別のライダー?手塚が話していた13人のうちの一人か…?」 別のライダーの存在を聞き、少し考えるクロノ。 読者の皆様には分かるだろうが、その別のライダーとは龍騎のことだ。 「はやてさん達に『別のライダーがいるから、話が通じるようなら協力を頼んで』と伝えて」 はやてが何かを話している。 「え?別のライダー?…はい。」 『はやてちゃん、どうかしたんですか?』 「ああ、エイミィさんから念話や。別のライダーがおるから、話通じるようなら協力頼めって」 そんなことを話している間に目的地へとついた。 「ああ、出たの私らの家の近くやったんか」 はやての家の近くにはアパートが二つある。そのうちの一つが榊原のアパート…つまりディスパイダーが現れた場所である。 ミラーワールドへと入ろうとするが、車の前で何かを見つめている女性がいる。 ここで変身や甲冑の装備をしたら見られてしまう可能性がある。 だから近くの路地に行き、そこからミラーワールドへと入った。 そして今に至るというわけだ。 「お前…ライアの手塚海之!?」 「俺はお前を知らない…だが、どうやらお前は俺を知っているらしいな」 エビルダイバーを引きつれ、ライアが現れる。 さらに遅れること数秒、はやてが路地から現れた。 その事で龍騎がさらに驚く。 「はやてちゃん!何でこんな所に…しかも生身でいるんだ!?」 「え…その声、真司君?そのカッコどしたん?」 どうやらこの二人は知り合いのようだ。 龍騎にしたって知り合いが生身でミラーワールドにいたら驚くし、はやてははやてで知り合いがライダーになってミラーワールドにいたら驚くだろう。 「ああ、もう!この際事情の説明は後だ!とにかくコイツを何とかするぞ!」 全員それで納得し、臨戦態勢を取る。 戦闘再開である。 第五話『龍騎』 『SWINGVENT』 ライアがエビルウィップを手に、ディスパイダーへと向かっていく。 そして例のごとく叩く。先ほどのライドセイバーと違い、結構効いているようだ。 そんな様子を見て龍騎も先ほど取り出したカードを装填しようとするが、腕の痛みが響く。 「真司君?もしかして腕を…」 「いや…大丈夫大丈夫!」 はやてが心配して声をかけるが、真司は心配かけまいと強がる。 そして腕の骨折であることを思い出した。 「そうだ…手塚!」 声に反応し、龍騎の方を向くライア。すると一枚のカードが飛んできた。 飛んできたカードをキャッチして見ると、『STRIKEVENT』と書かれている。 「それをベントインしてくれ!」 ストライクベントを手塚のバイザーに装填させようとする。 ちなみにカードをバイザーに装填することを『ベントイン』と言うのだが、便宜上装填とさせていただいた。 ライアは指示通り受け取ったカードをエビルバイザーに装填する。 『STRIKEVENT』 上空からナックル『ドラグクロー』が飛来する。 そして飛来したドラグクローは龍騎の右腕に納まった。 一部のカード以外は誰が装填しても持ち主に効果が現れるのである。 「っしゃあ!」 ドラグクローという武器を得て、ディスパイダーへと突撃する龍騎。 『マイスターはやて、私達も!』 「わかっとる。二人ともよけてや!」 はやての声を聞き、思い思いの方向へと飛ぶ龍騎とライア。 「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け!石化の槍、ミストルティン!」 魔法陣から7本の光の槍が飛ぶ。そしてそれらは全てディスパイダーに直撃した。 この魔法の名は『ミストルティン』。光の槍を飛ばし、当たった相手を石化させる魔法である。 着弾箇所からどんどん石化するディスパイダー。それを見て龍騎が驚く。 「何だよこれ…」 「驚いている場合か!終わらせるぞ、合わせろ!」 『COPYVENT』 他のライダーの武器をコピーするカード『コピーベント』で龍騎のドラグクローをコピーするライア。 そしてそれを龍騎とともに構える。 「ハァァァァ…」 構えると同時にドラグレッダーが飛来。口の中に炎を溜めこみ、それが球体となる。 その瞬間、龍騎とライアの動きが同調した。 「「食らえ!」」 二人同時にドラグクローを突き出す。それと同時にドラグレッダーが火球を放つ。 これが、ドラグクローを前に突き出すことにより、ドラグレッダーの火球を叩き込む大技『昇竜突破』である。 昇竜突破を二人同時に放ったのだ。破壊力も増大するのは自明の理である。 炎が直撃し、爆発。ディスパイダーが木っ端微塵に砕け散った。 決着の後、彼らはミラーワールドを出て、現実世界へと帰ってきた。 帰ってからいろいろ真司に問い詰められたが、「アースラに着いてから全て話す」と言って口を封じた。 で、現在位置はアースラの艦橋である。 「――――ということなんだ」 「…まあ、鏡の世界とかモンスターとか時間を戻すカードとか、そんなのがあるんなら魔法もあるよな」 どうやら事情の説明が終わったところのようだ。 というかライダーバトルという非常識すぎる事に巻き込まれているのだから、今更この程度の非常識では驚きはしないだろう。 「ってちょっと待った。時間を戻す…って、どういう事なん?」 「…13人目のライダー『オーディン』は、時間を戻すカードを持ってて、それで時間を戻して戦いを調整してるんだ。 多分オーディンが勝ち残るまでやり直し続けるんだと思う」 「…なるほどな、あの次元震もそのカードの影響だと考えれば納得がいく。だが、なぜそれを知っている?」 「多分、何度も戻されてるから耐性が出来たんだと思う。このデッキを見つけたら、時間が戻る前の記憶が戻ったんだ」 「それなら手塚さんのこと知っとってもおかしくあらへんな。多分時間が戻る前にどこかで会っとったんやろ」 手塚のことを知っていた件はこれで納得がいったようだ。 納得したところで真司が手塚に話を振る。 「手塚、お前は確かライダーの戦いを止めたいんだったよな? だったら時間が戻るカードのことは覚えておいたほうがいいんじゃないか? 他のライダーにも、教えれば止められるかもしれないしさ」 それを聞き、すぐさまユーノが理解する。というか、ユーノいたのか。 「それって、いくら戦っても願いは叶わないって分かるから、戦う理由も無くなるってこと?」 「そうそう、そういうこと」 その後、手塚のときと同じようなやりとりの末、真司もアースラに協力することになった。 「せや。真司君医務室どこだか分かる?」 突然はやてに話しかけられる。 「医務室?何で?」 「ほら、真司君左腕痛めとったやろ?治療してもらったほうがええんとちゃうかって」 「いやだから大丈夫だって」 やはり気付かれていた。だが、心配させまいと再び強がる。 …近くにいたクロノがノックする要領で左腕を叩く。 「!!!!!!」 もの凄く痛そうな反応だ。というか折れているのだから実際痛い。 「…ただの強がりだったようだな」 「ああやっぱり。ほら医務室行くで」 はやてに連れられ医務室へと向かう真司。どっちが年上だか分からない。 そして医務室 「あら?はやてちゃん、どうしたんですか?」 医務室に行くと、そこにはシャマルがいた。 「私はただの付き添いや。真司君がモンスターに片腕やられてるみたいやったから」 「…ども」 入りにくそうに医務室に入る真司。 「…え?真司さん?何でここに…」 「真司君も手塚さんと同じやったんよ。ライダーやった」 「…えぇ!?」 あからさまに驚くシャマル。まあ、知っているのはさっき艦橋にいたメンバーだけだから仕方ないといえば仕方ない。 とにかく腕の治療をしてもらう真司。 さっきありえない方向に曲がっていたからまさかと思ったが…やはり折れていた。 この後真司は「骨折しとったのに何で無理して戦ってたん?」とはやてに問い詰められて四苦八苦していたのは別の話。 ちなみに治療魔法『静かなる癒し』をもってしても全治1週間程度まで治療するのがやっとだった。 ギプスを使わずに済むだけまだマシといったところか。 アースラから帰ってきた真司は、まだ仕事の真っ最中だということを思い出し、急ぎOREジャーナルへと戻った。 途中で抜けたの怒っているだろうと思いながらバイクを運転しているといつの間にかOREジャーナルに着いていた。 すぐに編集部に行き、ドアを開ける。 「すいません、編集長。戻んの遅くなりまs「真司、お前ちょっとこっち来い」え?あ、はい」 多分途中でさっさとどこかに行ったことでどやされるんだろうな。真司は最初そう思った。 だが、聞かれた内容でそれは違うと確信する。 「城戸君、あれはどういう事?」 質問してきたのは令子だった。 「え?令子さん、『あれ』って…何のことですか?」 「とぼけないで、私見たのよ。あなたが特撮ヒーローみたいな姿に変身して窓の中に消えたのを」 見られていた。いつ?どこで? 決まっている。ディスパイダーを倒すために変身したあの時だ。 「真司、お前何か隠し事してるな?」 …言い逃れは不可能。ばれている。 「…分かりましたよ。話します。けど、これは絶対内緒ですからね!」 「なんか…一昔前の特撮ヒーローみたいね」 エンジニアの島田奈々子がそうつぶやく。 「真司、嘘つくならもっと現実味のある嘘にしろ…って言いたいところだが、令子が見たのも合わせるとどうも本当みたいだな」 「そうですね編集長。それなら行方不明事件も『全員モンスターに食べられた』で解決できますし」 「行方不明事件の真相がこんなとんでもない物だとはな…」 全員渋々ながらも信じたようだ。 「それで、お前はこれから先もその仮面ライダーとして戦うつもりか?」 「…はい。モンスターと戦って人を守れる、そういう力があるんです。ならそのために使いたいんです」 真司の決意は固い。 もはや誰が何を言っても止まらない、大久保はそう感じ取った。 「よし、分かった。やってみろ!」 「ありがとうございましたー」 OREジャーナルの近くにあるコンビニ。真司はそこにいた。 「早く戻らないと編集長がうるさいからな…えっと、俺のバイクは…」 今回の締め切りが近いので、全員揃って残業である。 ならばなぜ真司はコンビニにいるのか?その答えは簡単、夜食の買い出しだ。 そして全員分の夜食を買い、OREジャーナルへと戻ろうとした… キィィィン…キィィィン… どうやら戻る前に一つやる事ができたようだ。 モンスターだと思い周りを見る真司。だが近くにモンスターの気配は無い。 気のせいだったかと思い、バイクに乗ろうとその方向を見ると、サイドミラーに神崎が映っていた。 『仮面ライダー龍騎…城戸真司か』 「神崎士郎…お前、こんな戦いを何回繰り返すつもりだよ!」 それを言い終える頃には、神崎は映っていなかった…。 それもそのはず、真司の後ろにいたのだから。 『ほう、タイムベントの記憶があるのか。そのまま同じように繰り返すといい』 「残念だったな、もう前と違う進み方してるんだよ!」 『どういう事だ?』 「前はディスパイダーとの戦いで蓮に会った。でも今回は蓮じゃなくて手塚に会ったんだ」 言い終える前に、神崎は再び鏡に戻っていた。 「それだけじゃない。この時点では前は誰にもばれてなかったのに、今回は何人かの人にばれているんだ」 『すでに前と違う進み方をしているのか…それもいい』 「神崎士郎!俺は絶対に、ライダーの戦いを止める!誰一人死なせたりしない!」 『それがお前の願いか。いいだろう。そのために戦え…戦え!』 言い終えると、神埼が消えた。 (そうだ、誰かに死なれてたまるかよ…!) 次回予告 「はやてちゃん、真司さんと前から知り合いだったみたいだけど…」 「いやー、アパート追いだされちゃってさ」 「イライラするんだよ…」 「何ですって?浅倉が!?」 仮面ライダーリリカル龍騎 第六話『蛇と蟹』 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3432.html
* 一見して工事中だと分かる、鼠色の幌で覆われたビル。 散乱するように置かれた機材は、建設中というより建設中止を思わせるものだ。 しかし敷地外に立て掛けられた看板は綺麗な形を保っており、どこかちぐはぐな印象を抱かせる。 だからだろう、クラナガンの市民も無意識下でビルを避けるようにしているのか、人通りがなかった。 そんなビルの中に入れば、このビルの謎も明らかとなるだろう。 中は、未だ屹立していることが嘘であるかのように、墓標の如く折れた鉄骨が突き立つ廃墟そのものだった。 「チッ、やらかしてくれちゃって」 巧妙に折れていい鉄骨だけが折れ、柱となる鉄骨だけが辛うじて生き残っていた。 逆にそれ以外が折れ過ぎて、もはや下手に触れることすら危うい状況でもあった。 「せっかくの二号店を入れるビルを壊してくれるなんて、あの科学者には借りが出来ちゃったなぁ」 その中心で、軽薄な笑みを浮かべる少年が一人。 彼はその廃墟の中にチャラチャラした服装を纏って立っている。その姿に威厳はない。 にも拘らず、彼はやはり王者だった。 「アイツには悪いけど、アレはボクの獲物だ」 一瞬その姿に。 ヘラクレスオオカブトの戦士が、ブレるように重なった。 リリカル×ライダー 第十七話『決意』 すぅすぅ、という空気の出入りするような細い音が耳に入る。雲のかかったような頭を必死に回転させ、視力を回復させていく。 俺が目覚めて最初に視界を埋めたのは、なのはの寝顔だった。 混濁する頭で四方を見渡しながら体を起こす。どうやら医務室のベッドに寝ているらしいことと、なのはが付き添ってくれていたことが分かった。 (俺は……確か……) 記憶を遡るように探る。そして掘り当てた。俺がこんな場所で寝ている、その理由が。 「俺は、負けたのか――」 ジェイル・スカリエッティ。 いや、レンゲル・ジャックフォームに。 橘さんとの一件を切っ掛けに僅かだが思い出した十五年前にあったバトルファイトの記憶。 その断片的な記憶によると、あの時ブレイド、ギャレンはラウズアブゾーバーを所持していたが、レンゲルは持っていなかったらしい。 つまり、俺はレンゲルの強化フォームについての知識が一切ないのだ。これが初見ということだろう。データで見たという覚えもない。 奴自身が強いとは考えがたい。アイツは科学者であって戦士ではないからだ。ということは、レンゲルのベルトがそれだけ強力ということに違いない。 「チェンジデバイスに、何かデータが残っているかもしれない」 魔法関連の知識は薄いが、スカリエッティがレンゲルのベルトを魔法で再現していることだけは分かっている。 やはりあのカードはラウズカードを魔法で擬似的に模倣したものに違いない。調べれば、何か調査の手掛かりになるかもしれない。 「うぅん……あれ、カズマ君?」 そうして立ち上がりチェンジデバイスを取りに行こうとした所で、俺はなのはに呼び止められた。 「ひどいよ、何も言わずに置いていこうとするなんて」 「いや、起こしちゃ悪いかと思って」 本当はすっかり忘れていただけなのだが、流石にそれを素直に言うのは不味いな。 「カズマ君、ホントはわたしのこと忘れるくらい考え事に没頭してたでしょ」 「うっ……悪い」 なのはにはしっかり見抜かれていた。 そこで訪れる沈黙。口下手な俺には対処しようがない空気。というより、流石に今ので悪いと思っていたので、口を動かすのも躊躇ってしまったのだ。 「――ねぇ、カズマ君」 そんな沈黙を破ったのは、他ならぬなのは本人だった。 「ヴィヴィオとは、よく遊んでるよね?」 「ああ、まぁな。俺は子供苦手だけどな」 急な話題に戸惑いながらも思い出しながら苦笑する。 昔は苦手でもなければ特別得意ということもなかったはずだが、十五年の月日がその能力を劣化させていた。 だがなのはにとってそんなことはどうでもよかったのか、反応はなかった。 「わたしね。カズマ君がヴィヴィオに近付く時……よく、ジョーカーと被って見えるんだ」 「――――嘘、だろ」 心臓が止まるような台詞だった。 「大丈夫、多分わたしだけだよ。幻覚でも見てるってことかな」 何が大丈夫なものか。 自分の娘と怪物が一緒に遊ぶ光景を幻視する。なのはの言うことは、そういう意味だった。そんなの、普通ならまともに見ていられない。 「恐いの、わたし」 「……悪い」 「違うの、カズマ君がじゃないよ」 俯いて前髪が垂れているため、なのはの表情は見えない。けれど、例え顔を上げていても直視することは出来なかっただろう。 悲痛な声が、それを感じさせた。 「わたしね、恐いの。ヴィヴィオに誰かが危害を加えるかもしれないってことが、堪らなく」 ヴィヴィオは聞いた話によるとJS事件でスカリエッティに誘拐され、事件に利用されたらしい。多分怖い思いもしただろう。 恐らくなのはが想像しているのは、そのことだ。 彼女が過保護になるのは多分、ヴィヴィオが可愛いから、なんて理由だけじゃない。 ヴィヴィオは他人に命を狙われる特殊な能力を持っているらしい。そのことが、なのはの不安を増大させているのだ。 「怪我してから、わたしは弱くなった。昔でさえヴィヴィオを守ってやれなかったわたしが、更に弱くなったの」 確かその傷は未だに完治しておらず、また治ることのない後遺症を残すらしい。そのせいで昔よりも魔力精製量が減ってしまったそうだ。 弱体化。 戦士でありヴィヴィオの保護者であるなのはにとって、それは致命的なことだった。 肉体的な意味合いだけではなく、精神的な意味でも。 「わたし、管理局を辞めようって、思ってるんだ」 女の子として心配だった体への傷痕は幸い残るわけじゃないらしいが、なのはにとってはそんなことはどうでもいいのかもしれない。 彼女にとって重要なのは、人を、そしてヴィヴィオを守れるかどうかだけなのだから。 「なんかそう思うと真面目にするのも馬鹿らしくなって、気分転換にヴィータちゃんをからかったりしてみたんだけど……」 「なのは……」 「……ダメだね。やっぱり上手くいかないや」 はやてだって最近のなのははおかしいと言っていた。恐らくもっと付き合いの古いらしいフェイトは初めから気付いていた。 もしかしたら、フェイトはなのはのことを考えて俺に優しくしてくれたのか――いや、そんな考え方は失礼だな。 とにかく、なのはが本調子じゃない理由は、これでハッキリした。 「なのはは、何のために戦っているんだ?」 「たくさんの人を助けたいからだよ」 俯き、沈み込んでも淀みなくすらすら出てくる戦いの理由。九歳から戦い続ける少女が秘める信念。 たとえ繊細そうに見えようと、可憐な少女であろうと、彼女は信念のために戦う戦士だ。だからこそ、その信念は何よりも彼女を支えるもののはずだ。 それは多分、一朝一夕に抱けるようなものじゃない。 「なのはは、今どうしたい?」 「ヴィヴィオを・・・・・・守って、あげたい」 少し涙ぐんでいるのか、最後の語尾が少し震えていた。 今、なのはは悩んでいる。不特定多数の他人を守るか、それとも大切な一人を守るかという、究極の選択で。 俺には特別な後者がいなかったからなのはの悩みは分からない。けれどそれは、どちらかしか取っちゃいけないものなのか? 信念と親愛、それは両立させることが出来ないものなのか? 「なのは」 「……なに?」 「俺を、俺達を――信じてくれ」 「…………え?」 なのはが顔を上げる。想像通り、見るのが辛くなるほど目を真っ赤に腫れさせ、頬を幾筋の透明な線が埋めていた。痛々しいくらいに。 その濡れた瞳を直視する。そうだ、俺には、真っ直ぐ何かを叫ぶことしか出来ないんだ。 だから、目を逸らさず真っ直ぐぶつける。 「なのは一人じゃ無理なら、皆で守ろう。ヴィヴィオも、助けを求める人達も」 「カズマ、君……?」 「なのは、もっと俺達を信じてくれ。なのは一人で抱え込まず、皆で助け合えば、きっと守れるさ」 俺一人では、それは無理だろう。 だけどなのはには多くの仲間がいる。彼女を支え、共に戦ってくれる戦友が。信頼し合える親友が。 それなら仲間を信じ、共に運命と戦えばいい。彼女一人では無理でも、そうすれば叶うかもしれないから。 「…………あり、がとう」 ぽつり、と。 囁くような声量で、なのはは言った。 「でもね」 だが、それには続きがあった。 「皆には皆にとって大切な人がいるの。だから、そんな頼ったり出来ないよ」 「そんなことはないだろ! フェイトだって、あんなに――」 「フェイトちゃんは確かにかけがえのない親友だよ。でもね、フェイトちゃんには守りたい家族がいるの。だから、わたしの分まで負担してなんて、言えないよ」 なのはが袖で目を覆い、俺に背中を向ける。 「なの――」 「……ごめんね、カズマ君」 ポニーテールを揺らしながら、彼女は脱兎の如く去っていった。 彼女を止めようとした右手は、虚空を掴むのみだった。 ・・・ 「スカリエッティはやっぱりチェンジデバイスの開発者やないんか……」 「はい、今回のチェンジデバイスに入っていた戦闘記録とガジェットの残骸から確信しました」 六課において各員が使用するデバイスの整備、改良、開発を行う通称デバイスルームにて。 チェンジデバイスを持ったはやてがここを訪れてからシャーリーと話し出し、すでに三十分が経過していた。 「はやてさん、チェンジデバイスの主機関、オルタドライブの革新的なところは何だと思いますか?」 「それは……魔力を自力で作れることやないんか?」 はやてが顎に指を当てて考えながら答える。それにシャーリーは小さく首肯した。 そもそもこの話題は以前もしたことであり、またリィンを自力で組み上げたはやてはデバイスにもある程度精通しているため、淀みなく答えは出ていた。 「そうですね。ただ、オルタドライブのように外部電源無しで魔力を作り出す機関は存在しませんが、単純に魔力を作るだけなら私達でも可能なんです。 魔力炉や次元航行艦のエンジンなどがその典型例です」 もちろんオルタドライブのように小型化出来てるわけでもないですけどね、と言っていったん話を締め括るシャーリー。 一方ではやてはシャーリーの答えによってますます分からなくなったのか、考え込んでしまっていた。 「はやてさん?」 「ううん……私にもよう分からんなってきた」 「簡単な話ですよ、魔導師が必ず持つリンカーコアの特性を考えれば」 「リンカーコアの、特性?」 魔導師は必ずリンカーコアを持つ。逆に、リンカーコアが無ければ魔法は扱えない。魔導師とは認められない。 その能力の一つが魔力精製機関としての機能。だがそれだけならカートリッジなど、別の手段で魔力を用意すればいい。 つまり、リンカーコアにはリンカーコアにしかない特別な性質が存在する。 そう、リンカーコアの持つ最大の特性は―― 「――魔法を発動させることが出来ること?」 「その通りですはやてさん! 管理局が魔導師を特別扱いするのはそれが理由です。カートリッジが魔力、デバイスが脳の役割を負担しても、最後のはどうしようもなかったんですね」 「そしてチェンジデバイスとガジェットにはその機能が搭載されている、かぁ」 「はい」 はやてが神妙な顔で何度も頷く。はやてからしても、これは想像以上に厄介な展開だった。 この新技術は、つまるところ管理局による管理体制を揺るがしかねないのだ。 これまではリンカーコア保有者だけ管理しておけば良かったが、この技術が広がれば誰でも質量兵器のように魔法を使えてしまう。 仮にこの技術が解明されて世に公開されれば、管理局の基本方針を根本から変える必要が出てくる。地上本部に提出しなかったのは正解だったらしい。 「でもシャーリー、スカリエッティやないって断言する理由はあるんか? こんな厄介なモン、アイツが持ってるならヤバいと思うんやけどな」 「はやてさ~ん、これでも私、執務官補佐ですよ?」 にやりと笑って眼鏡の端をきらりと光らせるシャーリー。 実は平時においてフェイトの補佐として敏腕を発揮していたりするのだが、それはさておき。 「スカリエッティは、未完成か出来の悪い技術は秘匿し、逆に成功作は積極的に公開しています。この事から、彼は慎重だけど派手なことが好きな性格だと推測出来ます」 ふむふむ、と頷くはやて。 シャーリーもそれに乗って眼鏡の端をくいくいっと持ち上げる。にやっとした笑いも付け足して。 「では問題です。チェンジデバイスを持ったカズマさんが現れたのが三週間前。そして今回のガジェット登場が昨日。 もしチェンジデバイスの製作者がスカリエッティなら、わざわざ御披露目のようにチェンジデバイスより性能の劣ったガジェットを見せびらかすように仕向けると思いますか?」 シャーリーの台詞にはやての顔色が変わる。 それの意味する内容は、シャーリーの軽い口調よりも遙かに重いものだ。 スカリエッティとチェンジデバイス。天才と傑作はとかく繋げやすいもの。しかし、実は天才すらまだ未完成な域にしか到達していないのだとすれば――? はやての視線の先にあるチェンジデバイスは静かに浮かび続ける。中央のクリスタルを光らせ続けながら。まるで、全てを見守るかのように。 「シャーリー! はやては何処・・・・・・って、はやて? ちょうど良かった!」 そこに唐突に訪れる影。現れたのは、現チェンジデバイスの所有者、カズマだった。 ・・・ 「まさか君達の方から訪れてくれるなんて、嬉しいよ」 「くくっ、そっかぁ。確かに似てるね」 地下に作られた巨大なエントランスホールらしき場所で、二人の"者"が対峙する。 そこはとある次元世界にある地下研究所。主はジェイル・スカリエッティ。そう、ここは彼の持つ砦の一つだ。 客人は一人の少年。その名をキングと呼ぶ。 片方は白衣を羽織り、一方はチャラチャラしたアクセを纏う二人の"者"。二人は距離を取って対峙する。 「全く、これでようやく例のカードに関するデータを取れるということだな」 「あっははは! 何言ってるの、君のような出来損ないにボクをどうにかできるとでも?」 チャラチャラした格好のキングはどこまでも見下した視線を向ける。その視線は、正に王である故の余裕そのもの。 彼にとって怖いモノなどない。全ては彼を楽しませるゲームに過ぎない。だからこそ、この狂気の科学者も脅威には含まれない。 その蔑んだ視線に即座に反応したのは、スカリエッティではなかった。 「――貴様、それ以上ドクターを侮辱するなら」 「止めたまえ、トーレ」 すでにグレイブに変身したトーレが、紫の翼――ライドインパルスを展開して高速に迫り、剣を腰から引き抜いてキングの喉元に向けていた。 戦闘機人が持つ特殊スキル、インヒューレントスキルの一つ、ライドインパルス。その高速技とライダーシステムの組み合わせは、強力だ。 一瞬の出来事。だが、それに動じるキングではない。むしろその顔には笑みが浮かんでいた。 「へぇ、面白いじゃん! もう一回やってみせてよ!」 「貴様、喧嘩を売っているのか!」 トーレが菱形のモノアイでキングを睨み付ける。それにはキングは意にも介さず。 「でも、ボクには足りないかなぁ」 「――ッ!」 瞬きする瞬間で、トーレの後ろに回り込んでいた。 その速度は戦闘機人としての処理能力とライダーシステムによる探知能力を持ってしても追いつかない。 「ぐあっ!」 容赦なく蹴飛ばすキング。態勢を崩したトーレから剣を奪い、その頑強な胸部装甲に振り下ろした。 ギギギと耳に残る金属同士の摩擦音。装甲から火花が上がり、そこには荒々しい一筋の跡が走る。軽々しく振るう一撃が、トーレには重かった。 「なるほど。想像以上に厄介だ」 トーレはその程度で引き下がらない。光速の機動力を持って、再びキングに迫る。 流れるようなパンチ、キック。ストレートを打ち込んだ直後に跳ね上げるようなキック、そしてエルボー。コンボとも言える連撃。 だが、ことごとく当たらない。 「クソッ!」 彼女が打ち込むたびに、キングは瞬間移動するようにその場からいなくなっていた。そしてカウンター気味に、奪った剣を叩き付ける! 「グアッ――」 背中の装甲がへしゃげ、負傷しながらも攻撃範囲から脱出した姉の元にセッテが走り寄る。トーレへのダメージは、着実に積み重なっていた。 その光景を、冷ややかにスカリエッティは見つめ、素直な感想を抱いていた。 キングは楽しそうに剣を弄びながらトーレへと投げ放つ。トーレの目の前に、剣は垂直に突き刺さった。 「ボクはキングだからね。個人でも強いけど――あは、そうだ。家臣がいないとつまらないでしょ? 見せてあげるよ」 あっさりと手札をさらすように。 彼の後ろに、四体の怪人が姿を現していた。ライオン、三葉虫、バッファロー、コガネムシの異形達が。 その光景に気圧されたトーレが無意識で数歩引き下がる。絶対的な戦力差。圧倒的な王の軍勢に畏怖するように。 それに対抗するべく、新たに加勢したセッテと共にトーレはスカリエッティの両翼へと並び立った。 「さぁ、ボクとゲームをしようか? 出来損ない」 「フン・・・・・・だが、君達と争い合う前に、一つ話をしておこう」 決して余裕を崩さないスカリエッティ。流石のキングも、その態度には疑問を抱いたのか、表情をしかめる。 確かにスカリエッティには新型ガジェットの軍勢がある。しかしキング達アンデッドにはそんなものはガラクタでしかない。ならばこの余裕は、どこから――? その答えを、スカリエッティは歌い上げるように、告げる。 「私は、君達の洗脳術式を解除する手段を持っている」 レンゲルクロスを天に捧げるように持ち、そう言い放った。 ・・・ 悩むなのはと彼女を救おうと奔走するカズマ。それを嘲笑うように始まる襲撃。誘われるように迎撃へと向かう六課で、なのははどんな決意を抱くか。 一方の不死生物達の王は、狂科学者の元から帰還する。その身の拘束が解き放たれた彼らは、しかし―― リリカル×ライダー 第18話『なのは』 Revive Brave Heart 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/5601.html
登録日:2010/01/07(木) 00 28 48 更新日:2024/03/14 Thu 23 30 09NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 INNOCENT StrikerS Wナンバー ←(ry αナンバーズ←(ry エクシーズ ←(ry エラー&デリート←(ry サイボーグ ナカジマ家 ナンバーズ ワイナンズ←ナ(ry 中島家 井上麻里奈 人造人間 伊藤静 升望 又吉愛 大家族 姉妹 宝くじ←ナンバーズ違い 巨乳 戦娘 戦闘機の擬人化 戦闘機人 数の子 数字 斎藤千和 時の番人←ナンバ(ry 時代が早すぎた 木川絵理子 桑谷夏子 機動少女戦士 水橋かおり 無乳 爆乳 貧乳 魔法少女リリカルなのは 『魔法少女リリカルなのはStrikerS』に登場する戦闘集団。全12人の少女?で構成され、それぞれの結束は固い。 12人全員が役割に適した固有武装と強力な特殊能力(Inherent Skill)を持ち、頑強な肉体と生身では成し得ない高機能な五感を有する。 その特性から「AMF(魔法使用封じ)の影響を受けない」など、管理局の主戦力である魔導師・騎士とは根本的な違いがある。 基本的には固有武装とISを主体とした戦闘スタイルをとるが、長距離砲撃(セッテ)、バインド(ドゥーエ)、衝撃波(ドゥーエ)、飛行(トーレ、クアットロ、セッテ、オットー、ディード)のように補助としてミッドチルダ式魔法と思わるものも併用している。 旧型は当然スペックは低いが、姉妹のフィードバックを加えることで、新型と同等かそれ以上のパフォーマンスを発揮する。 各々の名称はイタリア語の数字から名付けられているが、これは製作者が名前にあまり興味を持ってないのが理由っぽい。 正体は試験管生まれの人造魔導師を素体に、肉体の一部を機械化し後天的に高い戦闘能力を付与した戦闘機人………、簡単に言えばサイボーグ。 培養方法は、適正遺伝子をかけ合わせた人工授精児を素体とする「純粋培養」と、元となるオリジナルが持つ特殊スキルを狙って作られる「クローン培養」の二つ。 前者は狙った能力が出し辛いだけに安定して量産に向き(*1)、後者は一芸特化な分コストが高く適合率に難がある。 この「安定した戦力」というメリットから、旧暦の頃や管理局で研究されて完成寸前で頓挫した技術をドクターが完成させた。 当然ながら倫理的にも問題だらけな違法技術。 ティアナ曰く、病んでたプレシアのように「よっぽどどうかしている連中でなければ手を出さない」人造魔導師すら土台でしかないのだからどれだけヤバイかよくわかる。流石は変態ドクター、やることが違います。 ドクターは彼女たちに武器を与え、犯罪行為に加担させた挙げ句に、全員女でピチピチボディスーツなのは趣味と思いきや、最後の最後で変態的かつ実用的な反人道的な細工を姉妹全員に施したりと、その絆はこれまでシリーズにあった家族のそれとはまた違う。 しかし完全な道具扱いしていたわけでもなく、作中で邪険に扱ったことは一度もない。彼の姉妹たちへの態度は非常に親しげで、兵器として余分な感情が多いNO.6と11を「(彼女らも)素晴らしい成功作品」と好意的に評したり、停止してしまった娘を弔うために一肌脱ぐなど、少なくとも彼なりの愛情や愛着を持っていたようだ。 プルシリーズではない。 あと決して宝くじではない。 また博士の作ったロボット達でもない。 所有者の心の闇を増幅させることもない。 ナンバーズ 基本的に通し番号が若い程稼動歴が長く、姉妹の序列でも上。 創造主たるスカリエッティへの忠誠心も旧型の方が高い傾向にあり、彼女達(*2)の会話や後日談での身の振り方を見れば、後期の姉妹とはかなり温度差があることがうかがえる。 No.Ⅰ ウーノ CV 木川絵理子 IS フローレス・セクレタリー 固有武装 無し 大人な雰囲気のナンバーズ長女。スカリエッティの秘書。ってか嫁? 頭脳を強化されており、通信や後方指揮から技術面まで出番は多いが、ステルス能力を使い戦闘には一切参加しない。 最終決戦ではヴェロッサの奇襲を受け捕縛、あえなく退場。 No.Ⅱ ドゥーエ CV 又吉愛 IS ライアーズ・マスク 固有武装 ピアッシングネイル 変装のスキルを活かし管理局に潜入していたなんかエロイ金髪のねーちゃん。また聖王教会から聖王の遺伝子の付いた布を盗んだのも彼女。 ナンバーズの中で最もスカリエッティの影響を受けており、さまざまな面で彼に似通う(見た目はウーノのほうが似ている)。 高い能力と仲間に優しく敵には冷酷に接する性格を持つらしく、かつて教育を担当していたクアットロからは「究極の戦闘機人」として尊敬されている。が、仲間にやさしくは受け継がれなかった様だ。 長らく登場しなかったが、最終決戦で最高評議会の脳ミソ達とレジアス中将を暗殺……が、その直後にゼストの一撃を受け死亡。ナンバーズ唯一の死亡者。……不憫である。 No.Ⅲ トーレ CV 木川絵理子 IS ライドインパルス 固有(ry インパルスブレード やたら尻に目がいく現場監督。武人気質で、失敗した妹には「バカ共が、お前等の目は節穴か!」とか言っちゃうおっかない姐御。 AMF下とはいえ高速戦でフェイトと互角に渡り合うほど得、格闘術と機動力は屈指の実力。………がパワー差で叩き落とされた。 No.Ⅳ クアットロ CV 斎藤千和 IS シルバーカーテン 固(ry シルバーケープ 三つ編みお下げのメガネ。妹たちから付けられたあだ名はクア姉、またはメガ姉。頭脳派でウーノと同じ様な仕事が多い。 幻術(光学迷彩)使いだが、あまり有効活用してない。まぁ指揮官だし。 基本的に姉妹思いなナンバーズにありながら、妹たちをひそかにバカにするなど非常に陰険、かつ性悪で一番腹黒。 最終決戦でも味方ごと施設を破壊したり、ヴィヴィオやルーテシアを操り戦わせるという外道っぷりだったが、怒れる魔王閣下なのはお母様に床ごとブチ貫かれた。 ○No.Ⅴ チンク CV 井上麻里奈 IS ランブルデトネイター 固 スティンガー/シェルコート 銀髪・眼帯・ブカブカコートのチビ姉。名前を伏せ字にしてはいけません。 爆発する投げナイフで戦う。(厳密に言えば金属を爆発物にさせるISなのでナイフでなくても構わない。てか怖い) 既に重症だったとはいえS+ランクのゼストをサシで倒した程の実力者。右目はその際に失明した。 一方で復活したゼストの面倒を見ていたのも彼女。 頼りになる上に世話好きなちっちゃい姐御であるが、背が低いのを気にしているらしい。 地上本部戦でスバルの振動破砕を喰らい全身ボロボロにされた為、最終決戦ではまさかのお留守番。不遇過ぎる……。 更生組の中ではかなり事件への関与度合いが高いため、自由を手にできないことも覚悟していたようであるが、 それでも償える罪を償おうと考え、また妹たちを気にかけ、更生の道を歩んだ。やはり姉である。 実際のところ更生組で一番罪が重かったのは彼女であった。 施設を出た後はナカジマ家の一員となり、StSの三年後のXでは19歳(扱い)の合法ロリに。 ちなみに製造年代から逆算すると約7歳の時にゼストに勝ったことになる。姉強し。 お箸が使えず、常にフォーク使用。家事は一通りこなせるが、ナカジマ家の台所は背の低い彼女にとっては高所らしく、 ゲンヤが作った足踏み台を使用している。スバル曰く「宝物の一つ」だとか。 可愛い。 AAがナンバーズメンバーの中でも断トツであることからも人気のほどがうかがえる。 ぶっちゃけてしまえば他のメンバーが大きな特徴が目立たないので、必然的に属性の多い彼女が目立ってるだけな気も ISを使う銀髪隻眼ロリ人工生命かつ中の人繋がりの方がいる。 ○No.Ⅵ セイン CV 水橋かおり IS ディープダイバー 固 ペリスコープ・アイ 境遇から考えると場違いなくらい明るくいい子。(子どもっぽいともいう) 壁抜けのレアスキル持ちで結構活躍する。ぶっちゃけてしまえばパシリ。 が、単純な戦闘能力はあんまりなのか、戦闘シーンもほぼ無しで暴力シスター・シャッハのトンファー双剣でノされる。 ツルぺタ。ひんねーに悩む「お天気姉さん」 『Vivid』では妹に姉としてみてもらえないほどのことをやらかしたりしている。 地味に料理が得意な事が判明。 ○No.Ⅶ セッテ CV 桑谷夏子 IS スローターアームズ 固 ブーメランブレード ここから下は後発組。 機械的で表情に乏しいハチガネ娘。ブーメランを複数操作し、オールレンジ攻撃を行う空戦タイプ。 感情が少ないのは余分成分を排除するプランに沿って製造されたためあり、戦闘機人としては最も完成度が高いとも言われている。 クアットロ曰く「傑作の部類」。 トーレお姉さま大好きで充分更生組として扱ってもらえるにもかかわらず、ブタ箱までも着いていく。 が、それがたたってXでは出番無し。 ○No.Ⅷ オットー CV 伊藤静 IS レイストーム 固 ステルスジャケット 見た目は男っぽいが、れっきとした女の子。つまりはペッタンコのボクっ娘である。 手からビームの司令塔。六課を焼き払ったりフォワードを分断したりと活躍。 でも最後にはシャマルとザフィーラにとっ捕まった。 後に聖王教会の執事になる。コロナ・ティミルの師匠も兼任。 ○No.Ⅸ ノーヴェ CV 斎藤千和 IS ブレイクライナー 固 ガンナックル/ジェットエッジ 攻撃的でツンデレな赤毛01。チビだが巨乳。 ナカジマ姉妹(正確にはクイント)とは遺伝子的にも繋がりがあり、スバルと同じ顔。 ついでに中の人も同じ。スバル戦のアフレコはきっとなかなかにシュールだっただろう。 エアライナーというウイングロードみたいな能力を使う足技主体の格闘タイプ。 スバルの2Pカラー。 チンクによく懐いており、彼女がボロボロになった原因であるスバルやティアナへの恨みはかなり強かった。 「ViVid」ではアインハルト・ストラトス(覇王モード)にボコられたが結局師匠役に収まっている。年齢はスバルの2つ下という形になった。 StrikerSまであった不機嫌さはどこへやら、クイントの血が働いたのか人当たりの良いお姉さんになっている。だが、未だにツンデレ。 勉強熱心であり、ストライクアーツのインストラクターの資格や、 二種看護師資格、救助隊民間協力者各種資格など様々な資格を取得している資格マニアに。 資料作成時にはメガーネをかける。 出番もかなり増えており……というかほぼ皆勤賞でStrikerSとは扱いが雲泥の差である。 なにげにForceにも登場した。 ○No.Ⅹ ディエチ CV 升望 IS ヘヴィバレル 固 イノーメスカノン 番号は10だがセインと同じ中期型。というかスバルよりも半年速い18歳扱い。 ボーっとしてる(様に見える)ポニーテールの娘。唯一ドクターの目的に疑問を呈する良識派。 強力な砲撃手だが、なのはさんにはあっさりブロックされたり、AMF+先制攻撃でも撃ち負けたり。 まぁパワー勝負するにはあまりに相手が悪かった。 Vividではノーヴェ程ではないが別人化する。 ○No.Ⅺ ウェンディ CV 井上麻里奈 IS エリアルレイヴ 固 ライディングボード 「〜ッス」の赤毛02。明るく誰とでも打ち解ける、そのノリは教育係だったセインに近い。でもセインと違ってかなりグラマーなスタイル。 乗り物や大砲にもなる便利な盾を使う。というか名前からして乗り物としての使用が主。 『Force』では、特務六課捜査部のティアナの執務官捕になっており、「りりかる歳時記」で出されたネタを実現させていた。 ○No.Ⅻ ディード CV 伊藤静 IS ツインブレイズ 固 〃 オットーとは双子(みたいなもん)で、同じくクール。だがこちらは見た目も女で、若手ナンバーズ最大の乳。 赤毛二人と3人掛かりでティアナを潰しに掛かるが、まとめて返り討ちに。 辛うじて立ち上がるも、結局ヴァイスに狙撃され見せ場の提供に終わった。 後のリオ・ウェズリーの師匠。表情豊かになったもんだ。 ○No.XⅢ ギンガ スカ一味に拉致られ洗脳されたギン姉。 左手はバリアもブチ貫くドリルというロマン仕様。流石ドクター、わかってらっしゃる。 スバルにディバインバスターACSをぶち込まれ正気に戻る。 JS事件後は1、3、4、7はスカと一緒に牢獄へ。 5、6、8~12は社会復帰を目指して更生プログラムを受けた。 仕出かしたことの規模の割りに処遇が甘いような気もするが、まぁ元からそういう作品だということで。 サウンドステージXでは5、9、10、11はナカジマ家の養子になり局員として活動。 よかったなスバル……妹ができて。そしてゲンヤさん羨ましいです。 しかしウェンディよ、「パパリン」はどうかと思うぞ……。 残りの三人はカリムに引き取られ、6と12は修道騎士見習い、8はカリムの執事になっている。 ヴィヴィオとも親しい様子。 ■INNOCENT 5、9、10、11が中島家の家族として登場。 長女がギンガ、次女がチンク、三女がディエチ、四女がスバル。 ウェンディとノーヴェは二卵性の双子。 1、2、3、4、7はジェイル・スカリエッティの娘として登場している。 ただし、本名はそれぞれ一架(イチカ)、二乃(にの)、三月(みつき)、四菜(しいな)、七緒(ナナオ)という名前に変更されている。 (ブレイブデュエル内では原典の名がコードネームとして使われる。)。 本作ではクイントとスカリエッティが兄妹という設定のため、中島家の姉妹とスカリエッティの娘達は従姉妹同士の関係にあたる。 人選は原典における更生組と非更生組(しかし、教会関連の更生組は登場しない。いつかは登場するのだろうか?)。 年齢は数字の順番に沿っているが、年代設定は本作独自のものとなっている。 出典:魔法少女リリカルなのはINNOCENT、ユビキタスエンターテインメント、DeNA 、2013年3月31日から稼働、© NANOHA INNOCENT PROJECT 追記・修正お願いッス。 してくれたらノーヴェの胸揉んでいいッスよ〜。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 反対も無かったのでコメント欄をリセット -- 名無しさん (2018-11-29 16 13 34) 「ある科学者が作った人造生命体」という部分ではライトナンバーズやワイリーナンバーズに近いかも -- 名無しさん (2019-09-23 22 45 59) ドゥーエの衝撃波やバインド、セッテの砲撃見るに、作中であまり見せなかっただけで一般的な魔法もそれなりに使えると見て良いのかな -- 名無しさん (2022-03-13 12 24 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/679.html
ウイングロードで突っ走った先にあるのは、狙撃型オートスフィア。 遠くからさんざ撃たれまくったけれど、 ティアの幻術が道を拓いて、やっとあたしの射程内。 半年に一度のBランク昇格試験、ここで落とせば、また半年後。 あたしだけじゃない、ティアの夢が、こんなところでつまづくのなら。 足をくじいたティアを放って、あたしだけがゴールするくらいなら。 そんな未来は、握った拳でぶち砕く。 あの日、あの時、あの人が、あたしにそうしてくれたように。 そして、もう二度と、守れないことのないように。 神 聖 破 撃 ディバイン・バスター 魔力球、形成! 振り抜く右のリボルバーナックルで殴打、衝撃波、発生! 敵の攻撃全部はね飛ばし、無理矢理に隙をこじ開ける。 分厚い天井をぶち抜いて生きる道を創ってくれた、あの人の魔法。 間髪入れずにウイングロード、展開! ローラーブーツ、最大加速! 作った道は、あたし自身で駆け上って、極めるんだ! 右の振り抜きざま、左の素拳に込められた力は、 踏み出した足と同時に、真正面の『未来』にめり込む。 「 因 果 (いんが)!」 あの日の空に 見つけた憧れ あたしは あたしの なりたいあたしに なる ! 魔法少女リリカルなのはStrikerS 因果 第九話『二人(前編)』 「因果だってよ、覚悟くん」 「否、あれはディバインバスターなり」 照れなくてもいいのに。 少し嬉しそうで、少し哀しそうな顔をしている覚悟くん。 やっぱり、一度は生命を助けた子だから、 わざわざ戦いの場に戻ってくるのを止めたい本音もやっぱりあって。 でも、あのとき、あの子を助けた魔法の名前を受け継いで、 誰かを助ける仕事を望んでくれた…伝わる思いも、うれしくて。 また映像に目を移したら、ティアナちゃんを背負ったスバルちゃんが、 制限時間ぎりぎり、全速力でゴールに突っ込んでくるところ。 合格は間違いなしだった。 満点はあげられないけど、見せてくれた奮戦と結果は、納得するには充分すぎる。 そんな、感激の目で見ていたから、あやうく気づかないところだったけど。 「危険だ」 「…まずいね」 ヘリから一緒に飛び降りた。 このままじゃ二人とも、ゴールの先にある瓦礫に正面衝突だから。 最後の最後でこんなミス…危険行為の減点は大きいけれど、 今はそんなこと、気にしている場合じゃない。 覚悟くんは覚悟くんらしく、正面から二人を受け止めきるつもりみたい。 だったらわたしはその後ろからアクティブガードで、さらにやさしく受け止める。 誰も痛くないように…そう、思っていたんだけど。 スバルちゃんのとった行動は、覚悟くんの予想も、わたしの予想も超えていたんだ。 わたし達が受け止める体勢をとるよりも前に、スバルちゃんは、ティアナちゃんをお姫様抱っこして。 …自分で、仰向けに転んだんだ。 「んんうううぅぅぅぅぅぅッ!」 歯をくいしばりながら、背中でアスファルトを滑ってゴールを通過。 ティアナを上に載せたまま、平手を地面についてブレーキ。 わたしと覚悟くんよりはるかに前の地点で、速度を完璧に殺して止まった。 正直、言葉もなかったよ。 だって… 「…ゴール、だよ、ティア」 「っの馬鹿ぁ!」 バリアジャケットの上着は摩耗しきって消滅して、 肩とか背中とか、こすった後が一直線に赤く残ってる…地面に。 痛い、痛いよ。 これは痛い、見てるだけで。 「なんてこと、なんてことしてんのよ! あんた…あんた、正気ぃ?」 泣きそうな顔で胸ぐらを掴み上げてるティアナちゃんに、 スバルちゃんは少し笑って答えてた。 血みどろの背中に、全然気づいてないみたいに。 「その…ティアが、足、怪我してるから。 これで、公平かなって…」 「馬鹿言ってんじゃないわよ、なにが公平よぉ」 「それより、間に合ったよ、制限時間内に、ゴールできたみたい」 「んなの、どうでもいいわよっ、いくら、あんたが…」 覚悟くんが近づく。 わたしも近づく。 二人とも、それに気がついて、こっちを見た。 試験の結果は、今は二の次。 言ってあげなくちゃいけないことができたけど、 それは覚悟くんがやってくれそうだったんで、わたしは止まって待っている。 少しぼんやりした顔のスバルちゃんの正面に立つと、覚悟くんは。 「馬鹿者! 己が身を大事にせよ!」 開口一番で怒鳴りつけてくれた。 思わずきつく目を閉じるスバルちゃんに、かまわず続けていく。 「父と母より受け継ぎし玉身(からだ)。 昇格試験ごときで、粗末に扱ってはならぬ」 「…ごとき、じゃ、ないです」 だけど、ここでまた。 「ティアの夢が、かかっているんです。 ここでダメにしちゃったら、また半年先になるから。 半年も遅れちゃうから、だから…」 スバルちゃんは、明確に反論してきたんだ。 この試験には、これだけのケガをわざわざしてまで受かる意味があるって。 それは友達の夢を守ることなんだ、って。 そう聞かされた覚悟くんは、少し、むずかしい顔をしてから。 「その意気やよし」 「…わっ?」 「よくぞ、これほどになってまで守り抜いた」 脱いだ機動六課のジャケットを、スバルちゃんの背に放り投げるようにかけた。 当然だけど、覆い隠された傷口の部分から、すぐに血で汚れていく。 「だが、できるだけ自ら傷を負うことは避けよ。 おまえの友も喜ばぬ」 目配せされたティアナちゃんも、一瞬遅れて弱々しくうなずいた。 覚悟くんは満足するようにここから立ち去ろうとして、 その背中をまた呼び止められる。 「あ、あのっ、これ、上着」 「医務室で処置を受けて後、返しに来るがいい」 「でも、血で…」 「おれもあの時、きみの服をおれの血で汚したはず。 これにて公平!」 「…………」 あとは覚悟くん、振り返りもしなかった。 これからは、守るべき誰かじゃない。 一緒に戦っていく後輩になる。 覚悟くんに言わせてみれば、スバルちゃんは生命の恩人で。 スバルちゃんがいなければ、火事の中、一人で力尽きていて。 そんな子を戦わせるのはやっぱり嫌って本音は、きっと、どうにもならない。 でも、そんな覚悟くんだから、わたしはすっごく期待してる。 絶対に死なせたくなくて、その上、スバルちゃんの戦う意志が揺るがないなら。 覚悟くんは、スバルちゃんにティアナちゃん、それとまだ来ていない二人にも、 育てるために全身全霊を尽くしてくれる。 これは確信かな。 その後、試験が終わった二人に、すぐ機動六課の話を持ちかけた。 二人が出会った、あの怪人の背後関係を今は追っているって説明した。 だから多分、他よりも、ずっと危険で血なまぐさい仕事を請け負うことになるよ、って。 断りたければ、断ってもいい。 二人にはその権利があるから、って。 …答えはね、ふたつ返事だったよ。 これからよろしくね。 スバル、ティア。 わたしも、二人を絶対、死なせたりしないから。 スバル・ナカジマ、およびティアナ・ランスター。 この二名は良し。 だが、もう二名はどうか? エリオ・モンディアル、およびキャロ・ル・ルシエ。 魔導の素質すぐれたるフェイトの養子二人。 スバルとティアナが今回の試験にて勝ち取った陸士Bランクを、 エリオなる少年、すでに保有しているも、それだけでは信用できぬ。 精神(こころ)伴わぬ戦闘力は危うき候。 たとえるならば、嵐に揺らるるいかだの上、樽に詰まったニトログリセリンに同じ。 保有する大破壊力、正しく扱えねば自らを滅ぼす。 これ父、朧(おぼろ)の教えなり。 ゆえにおれは問わねばならぬ。 両名の、戦士としての了見を。 別にフェイトを信じぬわけではないが、こればかりは拳を突き合わせねばわかるまい。 両名を機動六課官舎に呼びつけて早々、おれは模擬戦を申し込んだ。 むろん、フェイトが立ち会う。 養子二人がこれより志望するは、殺意うずまく戦場なれば、 むざむざ死にに行かせるを承知するわけもなし。 ただ、これだけを言って、この模擬戦を許したのだ。 「私は信じてるよ。 二人の持ってる、ゆずれないもの」 「その言葉、覚えたぞ」 模擬戦場には、基礎的に廃墟を設定。 高速道路跡上にて、おれと両名は向かい合っている。 紅の少年と、桃色の少女。 まだ年端もいかぬ子供… とはいえ、おれとて十歳にして零式鉄球をこの身に埋め込んでいるのだ。 そして、さらには。 あの高町なのはも、フェイト・テスタロッサ・ハラウオンも… はやてまで、十歳に届かずして実戦に身を投じているという。 すなわち、身体未成熟であろうが、面影に幼さ残っていようが、あそこにあるは未知の敵。 いささかなりとも、あなどる気は無し! 「正調零式防衛術(せいちょう ぜろしきぼうえいじゅつ)、葉隠覚悟…参る!」 「…エリオ・モンディアルと、ストラーダ!」 「う、あ、あの…」 紅の少年、エリオは槍を掲げて返礼したが、 少女は気後れしきって何も言わぬ。 早くも底が知れたか? そのようなわけはあるまい。 「名乗れ! 戦う前から気迫に呑まれてどうする!」 一喝。 これでひるんでしまうならば、戦場に立つ資格なし。 だがそこで、傍らにいたエリオ、少女の背を軽く叩き、 振り向く少女に目を合わせ…うなずく。 そして再び、槍をこちらに構え、突き出す。 宣戦布告、確かに見たり。 少女もまた、気合いを入れ直し、今度こそ名乗った。 「召喚師、キャロ・ル・ルシエ! フリードリヒと、ケリュケイオン!」 エリオから多少の力をもらったか。 それも良し。 少女、キャロの背に隠れていた竜、フリードリヒも姿を現わし、開幕準備完了。 「…来い!」 戦士の礼にて、相手つかまつる! 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/makarunote/pages/317.html
ケロ⑨destiny (けろきゅーですてぃにー) 基本情報 アーティスト Silver Forest feat.めらみぽっぷ 配信日 2014/08/12 ジャンル 東方アレンジ(旧ゲーム) 原曲 ネイティブフェイス(東方風神録) 解禁方法 ミュージックパネル⑨枚で解禁→2015/12/17以降は解禁不要 BPM 172 難易度 S4/N6/H9(旧:4/6/⑨) 特徴 高速コースアドリブ注意(SIMPLEは特に注意)HARDはレベル詐称(10相当) アップデートに伴う特記事項 2014/08/27曲名の「ケロ⑨distiny」という誤植を訂正。 2015/12/17解禁条件が撤廃。NESiCA無しでも遊べるようになった。 2018/03/2915段階の難易度表記に対応。 特徴 テンポが非常に速い4拍子の楽曲。 コース速度はテンポ相応に速く、加えて明るい背景色のせいで一部ターゲットが見づらいことがある。 コース自体に凶悪な仕掛けがあるわけではないが、後半「♪帽子の中に、誰もいませんよ 〜」の付近など、画面外から突然やってくるターゲットに対して反応が遅れやすい。 譜面はHARDのターゲット総数が489とやや多めで、途中に2回、16分間隔の比較的長いヒット連打がある。 アドリブの注意点 NORMALとHARDの隠し方と個数がほぼ共通。SIMPLEは個数が極端に増える。 特に注意が必要なのは下記の3点。 ①歌い出し(全譜面共通) 歌詞の区切りに合わせてアドリブが隠れている。場所は簡単に予想できるが、その個数が問題。「2個隠し」の場所は正確に把握しておきたい。 《歌い出しの歌詞》 まるきゅうチルノは 美味しそうだけど(★★) 神奈子のお粥で我慢しとこう 太らせて食べるのだ(★) 食物連鎖の 頂点めざして(★★) 今日も修行だ石段ぴょこぴょこ カエル跳びだ(★★) (★)……1個隠し (★)……8分間隔の2個隠し。「ウラ拍」始動なので注意 ②中盤・終盤のサビ(SIMPLEのみ違う) 下記の手書き譜面も参考に。ボーカルの「合いの手」をよく聴けば隠し場所を特定できる。ただ数が多く、演奏区間が長い。集中力を切らさないように。 SIMPLEのみ「終盤にも」この形でアドリブが隠れている。NORMAL以上の終盤サビは、「合いの手」の部分が普通のターゲットに差し替えられている。 ◯……ヒット ★……アドリブ --…ホールド(またはスクラッチ) 4拍子→【① ・ ② ・ ③ ・ ④ ・ ① ・ ② ・ ③ ・ ④ ・ 】 譜面[◯..◯..◯.◯.★.★.★.◯..◯..◯.◯.★...★.] (歌)か え る が(あ ぅ あ)け ろ け ろ(あっ あっ) [◯..◯..◯.◯..◯..◯.---------.★.★...] あ め に も ま け ず ー ③ラスト(全譜面共通) 「♪あうあう、ハイハイ!」という合いの手の直前にある長い空白に、すべてウラ拍で4個隠し。4拍子のリズムで空打ちしていると、華麗に全部スルーしてしまう。 ■……普通のターゲット ★……アドリブ 4拍子→【① ・ ② ・ ③ ・ ④ ・ ① ・ ② ・ ③ ・ ④ ・ 】 問題の箇所[..★...★...★...★.■.■.■.■...■.■...] (歌) あ う あ う ハイハイ! HARDの注意点 序盤のヒット連打地帯は、ただの一定間隔の連打ではなく、連打の密度が3段階に変わる。 「♪カエル跳びだ 〜」のアドリブ後、ヒット連打地帯の全体図は下記参照。 ◯……ヒット 4拍子→【① ・ ② ・ ③ ・ ④ ・ ① ・ ② ・ ③ ・ ④ ・ 】 問題箇所[◯..◯..◯.◯..◯..◯.◯..◯..◯.◯..◯..◯.]◀︎1段階目 [◯..◯..◯.◯..◯..◯.◯..◯..◯.◯..◯..◯.] [◯◯.◯◯.◯◯◯◯.◯◯.◯◯◯◯.◯◯.◯◯◯◯.◯◯.◯◯]◀︎2段階目 [◯◯.◯◯.◯◯◯◯.◯◯.◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯...]◀︎途中から3段階目 まず[◯..◯..◯.]を8セット、 次に[◯◯.◯◯.◯◯]を6セット、 最後だけ、休みなしの16分間隔ヒット連打。 後半のヒット連打地帯は、前半と違ってまったく休みがない。直前に画面外から飛んでくる[⬅︎+➡︎]のデュアルスライドに要注意。 【アップデート年表へ戻る】 【トップページへ戻る】
https://w.atwiki.jp/kobetsu/pages/17.html
2011/03/31 YOUさんからの課題 「劇場版リリカルなのはのストーリーが納得いかないんでお前が別のストーリー考えてくれ」 ということでやることになりました。 @前提条件@ 1. 前半のストーリーライン 2011/04のいつか 会議により決着。課題終了
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/523.html
ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(後編)◆Vj6e1anjAc ◆ あれ…… 一体、何が起こったんだろう…… 何だかよく分からないけど、胸がすごく痛い。 すぅっと力が抜けていって、身体を起こすこともできない。 おかしいな。 一体、どうしちゃったのかな。 早く立たなきゃいけないのに、身体がぴくりとも動かない。 エリオ君を助けなきゃいけないのに、身体が起きたくないみたい。 ――キャロ。 エリオ、君……? よかった……また、会いに来てくれたんだね…… 待ってて、エリオ君。もう少しで、また一緒になれるから。 このゆりかごでみんな殺せば、生き返らせてあげられるから。 ――もうやめるんだ。こんなことをしちゃいけない。 ……え……? 何で……? どうして、急にそんなことを言うの? 私のしたいようにすればいいって、エリオ君は言ってくれたじゃない。 なのに、何で……そんなことを……? ――確かに、そう言ったかもしれない……でも、これは本当にキャロの望んでることなの? おかしなことを言うんだね、エリオ君。 私はのぞんで殺し合いに乗ったんだよ? 私はエリオ君のためなら、他の人を殺してもいいって、自分からそうおもったんだよ? ――なら、何故……君は今、泣いているの? これは……たぶん、胸が痛いから。 私の目が涙でかすんでるのは、胸がきゅうに痛んだから…… ――そうじゃない。君はルーを殺した時から、ずっと涙を流していた。 こんなことをしたくなかった、殺したくなんてなかった…… 実際に人を殺しちゃった瞬間に、自分でも気付かないうちに、君はそう思って、泣いてたんだよ。 ……? よく、分かんない。 エリオ君のいってること、むずかしくて、よく分からないよ。 ――僕も君の涙は見たくない。だから、もう休むんだ。もう、無理をしなくていいんだよ。 ……まぁ、いいや。 やっと、またあえたんだもんね。 ずっと会いたかった、エリオ君に。 なんだか、ねむくなっちゃった。 エリオ君は、もういなくなったりしないよね? 私をおいていっちゃったりしないよね? あんしんして、ねちゃってもいいんだよね? ――大丈夫。もう、大丈夫だから。もう僕は、どこにも行ったりしないから。 よかった……やっと、ゆっくりやすめる…… えへへ……あんしんしたら、よけいにねむくなっちゃった。 ありがとう、エリオ君。 いっしょにいるっていってくれて。 わたしといっしょにいてくれて。 ――僕は、ここにいるから。 だいすきだよ……エリオくん―― 【キャロ・ル・ルシエ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 ◆ 「やっ、た……」 蚊の哭くような掠れ声で。 全てを傍観していたフェイト・T・ハラオウンは、1人満足げに呟いていた。 あのルーちゃんなる少女を目撃した瞬間から、何もかもが彼女の思うままに進んでいた。 腕を切り落とされたこの身では、キャロとまともに戦えない。 ならば彼女とぶつけ合わせて、生き残った方を殺せばいい。 幸いあれから時間が経っただけあって、一発分の弾丸を撃つだけの魔力は回復していた。 それを確実に命中させるために、この瞬間を待ち続けた。 案外一方的な勝負になってしまった時には、さすがにもう駄目かとも思ったが、上手いこと警戒を解いてくれたことが幸いした。 ああ、それでももう駄目なようだ。 がちゃり、とオーバーフラッグを取り落とす。 魔力はちゃんと回復したが、体力はこれっぽっちも残っていない。 ちゃんと止血をしておけばよかったと、今頃になって気付く辺り、もう自分は終わりなのだろう。 生き残るための戦いの果てに、無理をして命を落とすなど、本末転倒もいいところではないか。 それでも、最後に残された力を振り絞り、這うようにして歩みを進める。 ふらふらとよろめき、血の雫の道を作りながら。 黒服のミンチを通り過ぎた辺りで、遂に両足が動かなくなった。 どさり、と倒れたのろまな身体を、左腕だけで引きずった。 胸を撃たれた死体の脇を、芋虫のようにして進んでいく。 「ん……」 光り輝く宝石の向こうで、微かに声が漏れていた。 震える瞼の向こうには、新緑の色と烈火の色。 グリーンとレッドのオッドアイが、柔らかな金髪を揺らして開く。 「ひっ……」 びくり、と身体を震わせる。 まぁ、普通はそうなんだろうな。 傍らには風穴の空いたキャロの死体、向こうにはぐちゃぐちゃの肉塊になったルーテシア。 普通なら、誰もが嫌悪して当然の惨状。 それでも平然としているのだから、いい加減自分の感覚も麻痺してきたと見て間違いない。 「……フェイト、ママ……?」 そう呼ばれて、我に返った。 自分よりも年下のこの少女は、ようやく自分の存在に気付いたらしい。 言うことを聞かぬ首を強引に持ち上げ、顔と顔とを向き合わせる。 「やっぱり……君が、ヴィヴィオなんだね……」 彼女のことは聞いていた。 このヴィヴィオという娘のことは、生前のキャロから聞かされていた。 未来のなのはが養子として引き取り、彼女と自分をママと呼び慕う少女。 過酷な運命を辿った先に、彼女と深い絆で結ばれた少女。 それが、ヴィヴィオという娘だった。 「待って、て……今……外す、から……」 手探りで玉座を弄り、拘束を解く。 身体を固定していた手枷が、かしゃんと音を立てて解除される。 これでヴィヴィオは自由だ。 身を縛る枷もない。命を狙う敵もいない。 心残りがあるとすれば、キャロが最後に施した処置だ。 何をしたかは知らないが、あれはさすがに戻せない。もはや、時間が残されていない。 「フェイトママ……どうしたの……? どこか、痛いの……?」 「うん……多分、私は……もう……死んじゃう、から……」 そうだ。 ここまでに自分は血を流しすぎた。 もはやこの命は風前の灯火。残り数分ともたず消えるだろう。 「そんな……やだ、やだよフェイトママ! せっかく……せっかく会えたのに……!」 ああ、嬉しいな、と。 不謹慎かもしれないが、そう思えた。 こんなことになってなお、自分を求めてくれる人がいる。 こんな空虚な自分のために、涙を流してくれる人がいる。 こんな人殺しの命を、惜しんでくれる人がいるのだ。 「最後に、1つ……お願い、したい……ことが……あるんだ……」 まだくたばるわけにはいかない。 まだ意識を手放すには早い。 最後の力を出しきった身体から、更に力捻り出す。 魔力が生命力に変わるなら、それを使ったって構わない。 「私のっ、こと……嫌いに……ならないで、ほしいんだ…… 私は、なのはを助けたくて……人を、殺しちゃった…… 許されないって、分かってても……独りで……いるのが……耐えられ、なかった……」 言えば嫌われるかもしれない。 幻滅され、嫌悪されてしまうかもしれない。 フェイトママを信じていたヴィヴィオを、裏切ることになるだろう。 「わがまま、だってことは……分かってる…… でも……私の、こと……こんなに、悪い私でも……こんなに……弱い、私でも……嫌いに……ならないで…… 誰からも、愛されなくて……誰からも嫌われて、死ぬなんて……そんなの……寂しすぎるから……」 それでも。 だとしても。 言わずに死ぬことはできなかった。 こんな小さな子を騙して、聖人君子のふりをして死ぬなんてことは、もっと耐えられなかったから。 ああ、分かっている。 これも所詮は自分のためだ。 最期まで自分可愛さに、懺悔することしかできなかったのだ。 「嫌わないよ……フェイトママを嫌いになんて、なれないよ……! だから……だから、死なないでっ!」 ああ、もうそれだけで十分だ。 一体その一言で、どれだけ救われたことだろうか。 これでもう安心して逝ける。 死の恐怖とだって向き合うことができる。 何者でもないあやふやな存在でなく、フェイト・T・ハラオウンとして死ぬことができる。 世界でたった独りになったと思っていた。 それでも、自分は独りじゃなかった。 こんなに愛してくれる人に、自分は看取ってもらえるのだ。 こんなに幸せな気持ちで、自分はなのは達の元へと旅立てるのだ。 「ありが、とう……」 できるなら、もう泣かないでほしい。 自分を愛してくれる人が悲しむ顔は見たくない。 その涙を拭いたくて、重い左手を持ち上げる。 「最期に……会え、て……」 本当に――よかった。 「フェイトママァァァァァァァ――――――ッ!!!」 【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA s 死亡確認】 【残り:30人】 ◆ 意識を取り戻した瞬間、最初に知覚したものは、見覚えのある天井だった。 続いて両手が動かないことに気付き、目の前にレリックがあることに気付く。 何故、私はまたここにいるのだろう。 何故、あの聖王のゆりかごにいるのだろう。 昔の夢でも見ているのだろうか。 愛するママと、本当の家族になった瞬間の夢を、今まさに見ているのだろうか。 しかしそんな考えは、充満した鉄の臭いに断ち切られた。 機動六課のキャロ・ル・ルシエが、背中に穴を空けて死んでいる。 自分をさらった少女の身体が、ぐちゃぐちゃのひき肉みたいになっている。 そして――死んでしまったはずのフェイトママが、腕から血を流して苦しんでいた。 目の前にいたフェイトママは、何故か小さな子供のようになっていた。 どうしてそんなことになってしまったのか。確かにそれは気になった。 だが、重要なのはそこではなく、彼女の命が消えようとしていること。 そして数分と経たぬうちに、フェイトママは事切れた。 この目の涙を拭うこともできず、命を落としてしまったのだ。 もう、何を叫んだかも分からない。 ひたすらにフェイトママの名を叫んでいただけなのかもしれない。 ただひたすらに悲しくて、ただひたすらに苦しかった。 やがて胸に沸き上がるのは、かつて経験した激情の奔流。 変わっていく。 身体と心が、変わっていく。 抑えきれぬ感情と共に、身体を駆け巡った凄まじいエネルギー。 それがいけないことだとは分かっていた。 それを取り込んでしまった結果、なのはママを傷つけたことも覚えていた。 この力は殺戮を呼ぶ。 かつて古代ベルカの地を、究極の闇の淵へと落とした、凄まじき戦士の力が蘇る。 また、大勢の人々を傷つけてしまう。 それでも。 そうだと分かっていても。 もう、拒むことはできなかった。 拒む理由が見つからなかった。 今度は自ら望んで、なのはママを裏切ってしまった。 そうして私は――この怒りと憎しみを、受け入れた。 ◆ コンシデレーション・コンソール。 特定の条件下を満たした対象の自我を奪い、怒りや悲しみの感情を増幅。 情動のバランスを欠いた人造魔導師を暴走させ、自己の生存を度外視した破壊活動を強要するための技術である。 かつてルーテシアを狂わせ、意のままに操った悪魔の技術は、今まさに古代の聖王へと向けられていた。 幼く小さな娘の姿は、もはやどこにも残されていない。 巨大戦艦の玉座に立つのは、美貌と豊満な肢体を持ち合わせた1人の女性。 金の長髪をサイドポニーにし、しなやかなスタイルを黒の騎士甲冑に包み。 その双眸に宿すのは、緑と赤の危険な光。 聖王ヴィヴィオ、遂にここに覚醒す。 世界に究極の闇すらもたらす、凄まじき戦士の再誕だ。 「………」 金のポニーテールを揺らし、恐怖の聖王が歩みを進める。 堂々とした立ち振舞いには、あどけない童女の面影はない。 存在そのものがプレッシャーの塊。下手に触れようものなら、即座に圧殺されんばかりの圧倒的存在感。 ぐい、と。 何かに導かれるようにして。 さぞ大事そうにキャロが抱いていた球体を、強引にその手から引ったくった。 「許さない……」 ぽつり、と呟く。 かっ、と発光。 稲妻と闇色に染まる憑神鎌(スケィス)が、一瞬にして臨戦態勢へ移行。 心に虚がいるのなら、とっくに条件は満たしている。 心の力がいるのなら、この憤怒と憎悪を刃としよう。 「なのはママとフェイトママを傷つける人は……もう絶対に許さない!」 復讐だ。 この身を突き動かすのはその一念だ。 もはや許しておくわけにはいかない。 自分の大切なものを奪うというのなら、ぶち殺してでも止めてみせる。 誰も手出しができないように、1人残らずぶち殺してやる。 かつてのゆりかご攻防戦の折、クアットロに洗脳されたヴィヴィオは、一時的にそれまでの記憶を喪失していた。 その方がまだよかったのかもしれない。 殺し合いという状況が飲み込めないままに、大人しくしていた方がよかったのかもしれない。 されど、今は違う。 それでは面白くないと踏んだ主催者側が、記憶喪失の措置を無効化する仕掛けを組んだのだろうか。 今のヴィヴィオには、確固たる戦う理由がある。 記憶に残る愛する母を、血に染まってでも救う覚悟が。 沸き上がる怒りと憎しみに従い、母の敵を皆殺しにする意志が。 「みんな、みんな……殺してやるッ!!」 かつり、かつりと歩き出して、聖王は玉座の間を後にした。 先ほどゆりかごを起動させようとはしたが、その時謎のエラーが発生し、起動シークエンスが中断された。 死んだ人間の数が足りないのか、はたまた特定の時間を過ぎる必要があるのか。 いずれにせよ、まだ時期ではないということなのだろう。 であれば、動かぬ居城に用はない。 自ら戦場へとうって出て、直接標的を抹殺する。 古代の聖王と、古代の刃鎌。 最強にして禁断の組み合わせが、今まさに野へと解き放たれた。 【1日目・夕方】 【I-5/聖王のゆりかご・玉座の間】 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、聖王モード、洗脳下による激しい怒り 【装備】レリック(ルーテシアの体内にあったもの・シリアルナンバー不明・ヴィヴィオと融合している)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 憑神鎌(スケィス)@.hack//Lightning、 【道具】支給品一式、フェルの衣装、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ、 ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:ママの敵を皆殺しにする 1.なのはママとフェイトママを殺した人は優先的に殺す 2.頃合を見て、再びゆりかごを動かすために戻ってくる 【備考】 ※浅倉は襲い掛かって来た矢車(名前は知らない)から自分を救ってくれたヒーローだと思っています。 ※浅倉をまだ信頼しており、殴りかかったのは何か理由があるのだと思っています。 ※矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。キングは天道を助けてくれるいい人だと思っています。 ※クラールヴィントは浅倉を警戒しています。 ※ヴィヴィオの身体に適合しないレリックと融合しました。どのような弊害が生じるかは、後続の書き手さんにお任せします。 ◆ 最初に入ってきたルーテシアは、キャロに首を落とされ死んだ。 続いて入ってきたキャロは、フェイトに背後から撃たれて死んだ。 続いて入ってきたフェイトは、斬られた傷からの出血で死んだ。 最後まで残っていたヴィヴィオは、戦うために自ら出ていった。 《気をつけてください、相棒……》 そしてそれら全ての経緯を、横から俯瞰する者がいた。 正確にはそれは人ではなく、インテリジェントデバイスのAIなのだが。 スバル・ナカジマが走具――マッハキャリバーは、遥か彼方の相棒を想う。 《今の彼女と……ヴィヴィオと戦ってはいけない》 それは警告。 凄まじき戦士と出会ってはいけない。 聖王ヴィヴィオと戦ってはならない。 全てを見ていたマッハキャリバーだからこそ、その理論的危険性を理解できる。 高町なのはと互角の実力者の手に、魔導師殺しのデータドレインが渡ったのだ。 たとえ一度の戦闘において、一撃ずつしか撃てずとも、聖王の圧倒的戦闘スキルをもってすれば、命中させることなど容易いこと。 そして魔法を封じられれば、勝てる可能性は微塵も残らない。 否、生き延びる保障すらありはしない。 《我々では――彼女には、勝てない》 【全体の備考】 ※聖王のゆりかごの起動には、特定の条件を満たす必要があります。少なくとも、現段階では起動しません。 ※聖王のゆりかご・玉座の間に、以下のものが散らばっています。 フェイト・T・ハラオウン(A s)の死体、キャロ・ル・ルシエの死体、ルーテシア・アルピーノの死体、 首輪(ルーテシア)、オーバーフラッグ(仕込み刀なし・カートリッジ残量0)@魔法妖怪リリカル殺生丸、 支給品一式、医療品(消毒液、包帯など)、パピヨンスーツ@なのは×錬金、憑神鎌(スケィス)@.hack//Lightning、 マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ウィルナイフ@フェレットゾンダー出現!、 キャロのデイパック(支給品一式×2、かいふくのマテリア@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、 葉巻のケース@NANOSING、オーバーフラッグの仕込み刀@魔法妖怪リリカル殺生丸)、 ルーテシアのデイパック(支給品一式、召喚マテリア(イフリート)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、 エボニー(9/10)@Devil never strikers、エボニー&アイズリー用の予備マガジン×1、 レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、 ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、支給品一式(名簿の裏に記述あり、内容は情報交換のメモと同じ)、 SIG P220(8/9)@リリカル・パニック、情報交換のまとめメモ(内容は守りたいもの参照)、 支給品一式、フリーズベント@仮面ライダーリリカル龍騎、光の護封剣@リリカル遊戯王GX、レイとフェイト(A’s)のデイパック) ◆ それは小さな願いでした。 何事もない穏やかな日々、大好きなママと過ごす日々……何よりも愛しかった日々に、暗く、静かに落ちた影…… 私の力で、誰かを救うことができるなら、ママの助けになることができるなら……どんなにつらくても、頑張ろうと思えました。 だけど――もう、いいんです。 願いなんて……もう、どこにもありません―― Back ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(前編) 時系列順で読む Next Blue Swear―――蒼い誓い 投下順で読む Next キングの狂宴/狙われた天道(前編) ヴィヴィオ Next 13人の超新星(1) フェイト・T・ハラオウン(A s) GAME OVER キャロ・ル・ルシエ GAME OVER ルーテシア・アルピーノ GAME OVER
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/268.html
【名前】エリオ・モンディアル 【出典】デジモン・ザ・リリカルS F 【声優】井上麻里奈(「魔法少女リリカルなのはStrikerS」のチンク、ウェンディ) 【種族】人間 【性別】男性 【年齢】歳 【外見】 【性格】 【原作での設定】 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 [[]] 【技能・能力】 能力名 内容
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/134.html
【名前】クアットロ 【原作】魔法少女リリカルなのはStrikerS 【声優】斎藤千和(「魔法少女リリカルなのはStrikerS」のスバル・ナカジマ、ノーヴェ) 【種族】戦闘機人 【性別】女性 【年齢】実働は10年程度 【外見】 茶髪でメガネをかけた少女。身長約160cm。 【性格】 狡猾かつ残忍であり、無力な命を蹂躙しもがく様を観察するのを楽しむような性格。 スカリエッティやウーノ、ドゥーエを尊敬しているが、それ以外は姉妹すらも小馬鹿にしている。 【原作での設定】 スカリエッティによって作られた、4番目の戦闘機人。 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 高町なのは(sts) - スカリエッティの敵 フェイト・T・ハラオウン(sts) - スカリエッティの敵 八神はやて(sts) - スカリエッティの敵 ユーノ・スクライア - スカリエッティの敵 クロノ・ハラオウン - スカリエッティの敵 シグナム - スカリエッティの敵 ヴィータ - スカリエッティの敵 シャマル - スカリエッティの敵 ザフィーラ - スカリエッティの敵 スバル・ナカジマ ゼロセカンド 捕獲対象 ティアナ・ランスター - スカリエッティの敵 エリオ・モンディアル - スカリエッティの敵 キャロ・ル・ルシエ - スカリエッティの敵 ギンガ・ナカジマ ゼロファースト 捕獲対象 ルーテシア・アルピーノ ルーお嬢様、お嬢様、ルーテシアお嬢様 役に立つ手駒 ヴィヴィオ 陛下 使える道具 ゼスト・グランガイツ - 役に立つ手駒 ユーノ・スクライア - スカリエッティの敵 クロノ・ハラオウン - スカリエッティの敵 チンク チンクちゃん、チンク 仲間 ディエチ ディエチちゃん 仲間 【技能・能力】 能力名 内容 「幻惑の銀幕」シルバーカーテン クアットロの持つ先天固有技能。幻影を操り、対象の知覚を騙すことを旨とする。